#3『はじめにきいてね、こちょこちょモンキー!』同意の第一歩に

今回の絵本は「これが性教育の本なの?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
いま、性教育で大事な概念が「性的同意」。その一番最初の一歩になる、生活の中での「同意と境界線」が学べる本です。
「人が嫌がることはしない」の、その前に
わたしたち大人は小さい時から「人が嫌がることはしない」という教育を受けてきています。
これはこれでとても大切な教えにみえるけれど、根っこに「自分と相手の嫌なことは同じ」という前提があるような気がしています。
でも実際は、みんな違う。
何が嫌で、何が好きかも、一人ひとり異なります。
だからこそ、聞いてみないとわからない。
以前、講座の報告にもこう書きました。
わたしとあなたは違う体をもっているから
聞いてみないとわからない
どれくらいの距離感が心地が良いのか
そんな「きいてみる」のはじめの一歩を、幼児さんと一緒に練習できる絵本がこれ。
くすぐるのが大得意なモンキーくんが、「くすぐらないで!」と言われるところから、おはなしは始まります。
「イヤ」と「きらい」をわけること
「イヤ」「No」と言われると、まるで自分の存在を否定されたような気持ちになること、ありませんか?
でも、それは違うのだとおもいます。
「くすぐるのは、やめてほしい」
「でも、あなたのことは大好き」
実はこの2つは、両立します。
やめてほしいのは「やることDo」であって、「あなたBe」ではない。
そういう世界があるのだと知ることが、「イヤ」と言う練習の、いちばん土台になる気がしています。
わたし自身も、子育てのなかでこのDoとBeが混ざっていた頃は、とてもしんどかった。
息子が小さい頃、すごい勢いで、すごい近さで、わたしにぶつかってくる(こどもはじゃれているだけ)。
でもわたしは、強い身体接触が結構にがて。
同意という概念を知らなかった頃は、それを受け取れないわたしがいて、我慢するか、拒絶するか。
そのどちらも、わたしも息子も苦しめて、わたしは自分を責めていました。
そのときに
「ママはあなたのことがとても大好き」
「でも、ぶつかってこられるとびっくりする」
「このときはぎゅーってしよう」
と話せるようになって、お互いがすごく楽になりました。
この話は講座でもよくお話ししています。
いちばん練習が必要なのは、大人かもしれません
「同意とはNoということ、Noを受け取ることとセット」
生活のなかのこんな小さな場面に、同意の練習はたくさん転がっています。
そしてこれは、子どもに教えるものというより、わたしたち大人がまず練習するものなのだとおもいます。
この本を読んだあと、ぜひ一度「こちょこちょしていい?」ときいてみてください。
もし「イヤ!」と返ってきたら、「おしえてくれてありがとう」と受け取ってみる。
その小さなやりとりが、「イヤと言っても、大好きは変わらない」を体験する、はじめの一歩になります。
【幼児さん向け】今日ご紹介した性教育の本#3
「はじめにきいてね、こちょこちょモンキー! 同意と境界、はじめの1歩」
文:ジュリエット・クレア・ベル
絵:アビゲイル・トンプキンズ
訳:上田勢子・堀切リエ
(子どもの未来社)
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